1.特性計算式 (Additivity Equation)


 本システムの検索結果リストおよび特性計算式による特性予測で呼び出す特性計算式は、以下のとおりです。
 入力条件は、式によって温度または粘度を指定する必要のあるものです。
 特別条件は、組成値が制約を満たすものであっても、複数の組成の関係から算出を制限される条件です。
 ここでは組成比として以下の表現を用います。

: mol%
: mass%
: cationic mol%

注:特性名に(Silicate)と明記されている場合は、必ずSiO2を指定してください。

(1)Density
@ Toge, Tanaka and Minami (Si-As-Te Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:N. Toge, T, Minami, M. Tanaka, J. Am. Ceram. Soc., 59, 461 (1976)

A Toge, Tanaka and Minami (Ge-As-Te Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:N. Toge, T, Minami, M. Tanaka, J. Am. Ceram. Soc., 59, 461 (1976)

B Toge, Tanaka and Minami (As-Te-Se Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:N. Toge, T, Minami, M. Tanaka, J. Am. Ceram. Soc., 59, 461 (1976)

C Toge, Tanaka and Minami (Ge-Te-Se Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:N. Toge, T, Minami, M. Tanaka, J. Am. Ceram. Soc., 59, 461 (1976)

D Tanaka and Minami (As-S Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: 0≦As≦64.1mass%のとき計算可能です。
出典:M. Tanaka, T. Minami, Jpn. J. Appl. Phys., 4, 939 (1965)

E Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典参照
出典:A. A. Appen, Kimiya Stekla, Leningrad 1974


F Gan Fuxi (Fluoride)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:F. Gan, J. Non-Cryst. Solids, 184, 9 (1995)

G Huggins (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典参照
出典:M. L. Huggins, K-H. Sun, J. Am.Ceram. Soc., 26, 4 (1941)


(2)Young’s Modulus
@ Inaba, Fujino and Morinaga (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 密度はHuggins (Silicate)の式で算出しています。
出典:S. Inaba, S. Fujino, K. Morinaga, J. Am. Ceram. Soc., 82, 3501 (1999)

A Makishima and Mackenzie (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 密度はHuggins (Silicate)の式で算出しています。
出典:A. Makishima, J. D. Mackenzie, J. Non-Cryst. Solids, 12, 35 (1973)



(3)Surface Tension
@ Dietzel (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度900℃のときに有効な式です。
出典:A. Dietzel, Sprechsaal, 75, 82 (1942)

A Lyon (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度1200℃のときに有効な式です。
出典:K. C. Lyon, J. Am. Ceram. Soc., 27, 186 (1944)

B Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度1300℃のときに有効な式です。
出典:A. A. Appen, Silikattechn, 5, 11 (1954)

C Sasek (Silicate)
入力条件: 温度1200℃あるいは1400℃を入力してください。
特別条件: なし
出典:L. Sasek, M. Houser, Chem Technol. Silik., L5, 49 (1974)



(4)Linear Expansion Coefficient
@ Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度範囲20 - 400℃のときに有効な式です。
出典:A. A. Appen, Kimiya Stekla, Leningrad 1974

A Winkelmann and Schott (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度範囲20 - 100℃のときに有効な式です。
出典:A. Winkelmann, O. Schott,Ann. Physik,51,735(1894)

B Takahashi(0〜100℃) (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: B2O3 ≦ 35 cationic mol% のとき計算可能です。
出典:K.Takahashi, J. Ceram. Soc. Japan, 63, 142(1955)

C Takahashi(0〜400℃) (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: B2O3 ≦ 35 cationic mol% のとき計算可能です。
出典:K.Takahashi, J. Ceram. Soc. Japan, 63, 142(1955)

D Tanaka and Minami (As-S Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:M. Tanaka, T. Minami, M. Hattori, Jpn. J Appl. Phys., 5, 185 (1966)



(5)Thermal Conductivity
@ Ratcliffe (Silicate)
入力条件: 温度 -100℃または0℃または100℃を入力してください。
特別条件: なし
出典:E. H. Ratcliffe, Glass Technol., 4, 113 (1963)

A Russ (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 温度 0℃のときに有効な式です。
出典:A. Russ, Sprechsaal, 61, 887 (1921)




(6)Specific Heat
@ Sharp and Ginther (mean over 0 - t ℃) (Silicate)
入力条件: 温度(範囲 0 - 1300℃)を入力してください。
特別条件: Mn3O4とFe2O3は、温度 ≦ 600℃のとき計算可能です。
出典:D. E. Sharp, L. B. Ginther, J. Am. Ceram. Soc., 34, 260 (1951)

A Sharp and Moore (Silicate)
入力条件: 温度(範囲 0 - 1300℃)を入力してください。
特別条件: Mn3O4とFe2O3は、温度 ≦ 600℃のとき計算可能です。
出典:J. Moore, D. E. Sharp, J. Am. Ceram. Soc., 41, 461 (1958)
B Schwiete and Ziegler (Silicate)
入力条件: 温度(範囲 0 - 1300℃)を入力してください。
特別条件: Mn3O4とFe2O3は、温度 ≦ 600℃のとき計算可能です。
出典:H. E. Schwiete, G. Ziegler, Glastechn. Ber., 28, 137 (1955)


(7)Viscosity(Standard Point)
@ Lakatos(1978) (Silicate)
入力条件: 粘度 102.5、103.5 または104.5 dPa・sを入力してください。
特別条件: なし
出典:T. Lakatos, L.-G. Johansson, B. Simminingskold, Glasteknisk Tidskrift 33 55-59 (1978)

A Lakatos(1979) (Silicate)
入力条件: 粘度 102、104 または106 dPa・sを入力してください。
特別条件: なし
出典:T. Lakatos, L.-G. Johansson, B. Simminingskold, Glasteknisk Tidskrift 34 61-65 (1979)

B Okhotin (SiO2-Na2O-CaO系)
入力条件: 粘度(範囲 103 - 1013 dPa・s)を入力してください。
特別条件: なし
出典:M. V. Okhotin, Steklo i Keramika, 11, 1 (1954)

C Sasek (SiO2-Na2O-CaO-MgO系)
入力条件: なし
特別条件: 粘度 1013 dPa・sのときに有効な式です。
出典: L. Sasek, Silikaty, 16, 207 (1973)



(8)Transition Temperature
@ Tanaka and Minami (As-S Chalcogenide)
入力条件: なし
特別条件: 0≦As≦43.32mol%のとき計算可能です。
出典:M. Tanaka, T. Minami, M. Hattori, Jpn. J Appl. Phys., 5, 185 (1966)



(9)Viscosity
@ Lakatos(1975) (Silicate)
入力条件: 温度を入力してください。
特別条件: 粘度範囲 102 - 106 (dPa・s)のときに有効な式です。
出典:T. Lakatos, L.-G. Johansson, B. Simminingskold, Glasteknisk Tidskrift, 30, 7-8 (1975)

A Lakatos(1976) (Silicate)
入力条件: 温度を入力してください。
特別条件: 粘度範囲 102 - 106 (dPa・s)のときに有効な式です。
出典:T., Lakatos, Glasteknisk Tidskrift, 31, 51-54 (1976)

B Sasek (Silicate)
入力条件: 温度を入力してください。
特別条件: 粘度範囲 102.3 - 104 (dPa・s)のときに有効な式です。
出典:L. Sasek, Silikaty, 16, 207 (1973)

C Hrma (Silicate)
入力条件: 温度(範囲950 - 1250℃)を入力してください。
特別条件: なし
出典:P. Hrma, R. J. Robertus, Ceram. Eng. Sci. Proc., 14, 187(1993)

D Urbain (Silicate)
入力条件: 温度を入力してください。
特別条件: なし
出典:G. Urbain, F. Cambier, M. Deletter, M. R. Anseau, Trans. J. Br. Ceram. Soc., 80 139 (1981)



(10) Refractive Index
@ Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典参照のこと。
出典:Appen. A. A., Kimiya Stekla, Leningrad (1974)

A Gan Fuxi (Fluoride)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:F. Gan, J. Non-Cryst. Solids, 184, 9 (1995)
B Huggins (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典を参照のこと。
出典:Huggins., Sun. K-H., J. Am. Ceram. Soc. 26, 4 (1941)


(11)Abbe’s Number
@ Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典参照のこと。
出典:Appen. A. A., Kimiya Stekla, Leningrad 1974

A Gan Fuxi (Fluoride)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:F. Gan, J. Non-Cryst. Solids, 184, 9 (1995)

B Huggins (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典を参照のこと。
出典:M. L. Huggins, K-H. Sun, J. Am. Ceram. Soc., 26, 4 (1941)



(12) Mean Dispersion
@ Appen (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典参照のこと。
出典:Appen. A. A., Kimiya Stekla, Leningrad 1974

A Gan Fuxi (Fluoride)
入力条件: なし
特別条件: なし
出典:F. Gan, J. Non-Cryst. Solids, 184, 9 (1995)

B Huggins (Silicate)
入力条件: なし
特別条件: 出典を参照のこと。
出典:M. L. Huggins, K-H. Sun, J. Am. Ceram. Soc., 26, 4 (1941)



(13) Electric Conductivity
@ Sasek and M. (H Temp) (Silicate)
入力条件: 温度(範囲1000 - 1400℃)を入力してください。
特別条件: なし
出典:L. Sasek, H. Meissnerova, Technol. Silik., L5, 111 (1974)

A Sasek and M. (L Temp) (Silicate)
入力条件: 温度(範囲 320 - 540℃)を入力してください。
特別条件: なし
出典:L. Sasek, H. Meissnerova, Technol. Silik., L5, 111 (1974)

B Hrma(Silicate)
入力条件: 温度(範囲950 - 1250℃)を入力してください。
特別条件: なし
出典:P. Hrma, R. J. Robertus, Ceram. Eng. Sci. Proc., 14, 187(1993)



(14) DC Volume Resistivity
@ Mazurin(Silicate)
入力条件: 温度(範囲 100 - 427℃)を入力してください。
特別条件(適用範囲):SiO2 = 20-80mol%, B2O3 = 0-10mol%, Al2O3:0-10, Na2O+K2O: 12-30mol%, RO=MgO+CaO+BaO+ZnO+PbO: 1-20mol%、ROがCaO、BaOのみの単独、共存の場合は、RO=CaO+BaO:1-28mol%
出典:Mazurin. O. V., The structure of glass. Vol 4, Electrical conductivity and structure of glass. New York. Consultant Bureau 1965


2. 特性式


 INTERGLAD収録データとしては、特性式の係数・活性化エネルギー等が含まれます。その特性式は以下の6式です。これらの式の係数データが揃っているガラスについては、詳細画面の「Figure」プルダウンメニューをクリックすると特性値と温度あるいは波長との関係が図として表示されます。
 特性式を以下に示します。カッコ内の数値は特性のID No.を示します。

(1)Fulcherの式 (Vogel-Fulcher-Tamman,VFTの式)



η:粘度  dPa・s
A :Fulcherの式の係数(1231) log(dPa・s)
B :Fulcherの式の係数(1232) C
T0:Fulcherの式の係数(1233) C
T :温度 C


(2)拡散の式



D :拡散係数 m2/s
R :気体定数 8.314 J/K/mol
D0:拡散係数因子(1301,1303,〜,1363) m2/s
Ed:拡散の活性化エネルギー(1302,1304,〜,1364) J/mol
T :温度 K


(3)屈折率の分散式



n :屈折率
λ:波長 0.25〜1.55μm
A0 〜A5 :分散式の係数(2101〜2106)


(4)電気伝導度の式



σ:電気伝導度 S/m
T :温度 K
R :気体定数 8.314 J/K/mol
S0:電気伝導度の式の係数(3041) S/m
E :電気伝導度の活性化エネルギー(3045) J/mol


(5)直流体積抵抗率の式



ρ:直流体積抵抗率 Ohm・m
T :温度 K
R :気体定数 8.314 J/K/mol
R0:直流体積抵抗係数(3077) Ohm・m
E :直流体積抵抗係数の活性化エネルギー(3078) J/mol


(6)交流体積抵抗率の式



ρ:交流体積抵抗率 Ohm・m
T :温度 K
R :気体定数 8.314 J/K/mol
R0:交流体積抵抗係数(3085) Ohm・m
E :交流体積抵抗の活性化エネルギー(3086) J/mol



3. 表データ

 図示できる特性は次のとおりです。これらの特性は値を表データとして保持し、詳細表示画面(第W章. 2.4 参照)の”Figure”で表示できます。右側の数値は特性IDです。

・熱膨張曲線(α-T Curve) 
1040
・UV〜IR透過スペクトル(UV~IR Transmission Spectrum)
2218
・UV〜IR吸収スペクトル(UV~IR Absorption Spectrum) 
2278
・UV〜IR反射スペクトル(UV~IR Reflectance Spectrum)
2398
・放射スペクトル(Emissivity Spectrum) 
2509

(1)表データの形式
 表データの形式はCSV形式で、次のとおりです。

  図のタイトル
  X-軸のラベル名と(単位),最小値,最大値
  Y-軸のラベル名と(単位),最小値,最大値
  X11,Y11
  X12,Y12
   :
  X21,Y21
  X22,Y22
   :

 X1* と X2* とは別の曲線です。一つの表データ中に複数の曲線を含むことができます。



(2)表データのファイル名の付け方
 表データのファイル名は次のとおりです。

  expa_[ガラスID].csv : 熱膨張曲線
  trns_[ガラスID].csv  : UV〜IR透過スペクトル
  abso_[ガラスID].csv : UV〜IR吸収スペクトル
  refl_[ガラスID].csv  : UV〜IR反射スペクトル
  emis_[ガラスID].csv : 放射スペクトル

 このガラスIDは、ガラス番号の6桁の数値を使用します。



(3)表データの格納先
 表データのファイルは次のフォルダに格納します。(システムのアプリケーションフォルダ下です。)

   …\ngf\INTERGLAD5\figure





4.曲線ガラス化範囲データ

 ファクトデータから成るガラス化範囲データは、ガラス化組成を○、非ガラス化組成を×で表示する方法で、ユーザーデータ登録機能の新規登録画面から入力します。
 また、ファクトデータを伴わない境界線のみのデータについては、表データの形式で入力します。
表データはCSV形式で、次のとおりです。
 三角座標で表示された各点は、スムージング機能により曲線で結ばれるため、少ない点数でも滑らかな曲線として描かれます。また、終点を始点と同一点とすることにより、閉じた形状の曲線が描かれます。
 1つのガラス番号で描くことのできる曲線の数は、1本のみです。複数の本数の曲線については、ガラス番号を変えて入力する必要があります。

  組成の単位*
  成分AのID, 成分BのID, 成分CのID
  A1,B1,C1
  A2,B2,C2
    :
  An,Bn,Cn
   *組成の単位は、2桁の半角数字で表示します。mass%は「11」、mol%は「12」です。
  **3つの成分は、ユーザーデータ登録機能でID番号順にソートされて登録されます。







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